山分け

この時期になると、なんとなく毎年
親に聞いてしまう質問がある。

「3億円当たったら何に使う?」

母に聞くと、
「3人で山分け。」
毎年同じ答えが返ってくる。

あえて「どうする?」じゃなく「何に使う?」と
使い道を聞いてみても、答えは変わらない。

なんだか安心。

その答えを聞くために、質問してるような気もする。
それは「一杯のかけそば」みたいな、心の浄化効果。

「3億円当たったら何に使う?」
父にも聞く。
「3人で山分け。」

あぁ、この両親の元に生まれてきてよかった、
と思った矢先。

「と、思ってたんだけど、散々好きに使った後に
1億円残しておきたいから、ママとマユは7千万ずつね。」

な、なんだとぉ?

そんなわけで、私が当たったときの配当が決まった。
母と私が1億3千万ずつ、父は4千万。

こういう大人げのないところ、まさに父親譲り。

で結局、もし当たるなら母に当たればいいな
と思っている。そして2人からいつも、
「買わなきゃ当たらないよ。」と言われる。

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